2009年 10月 16日
HOSE with Axel Dörner |
11日12日と二夜連続で暗室作業をしたら風邪っぽくなった。体力ないなあ。連休明けの10月13日には自分を励ますため、HOSE with Axel Dörner 観賞目的でTOCHKA NIGHT@SuperDeluxeに出かけた。
HOSEの出番は3組のうち2番目。最初に宇波さんが段ボール箱を組み立てて床に置き、クリップライトを留めて、段ボールの影を壁に映し出す。立てたままの箱の折り返し部分の透き間が光の帯になる。床にいくつか金属の巻き尺を伸ばして立て、直線の影を壁に映す。空間に光と影で絵を描いていくような具合。
このパフォーマンスは9月11日の宇波拓ソロライヴ@視聴室で行われたものとほぼ同じだと思われる(私は未見)。今回は映画『TOCHKA』公開記念イベントということなので、段ボール箱がトーチカに、段ボールの透き間が銃眼に見えなくもない。
その間、江崎さん、Axelさん、古池さんの3管が微弱音を発生させている。Axel Dörnerのトランペットは今月2日にLoop-lineで初めて聴いたのだが、彼の出すシューーーッという強い摩擦音は電気ポットのお湯が沸くときの音みたいだなあとそのとき思い、2度目のこのときもやはり電気ポットだと思った。
後ろの壁際では、意外性のまったくないシークレットゲスト、中尾さんがクラリネットの部品(?)に懐中電灯を当てて、その光を壁に反射させたり、懐中電灯をじかに壁に当てて目玉おやじを出現させたりしていた。
このパフォーマンス全体は視覚的になんとなくドイツ表現主義映画の傑作『カリガリ博士』を思い起こさせた。いま調べたら、『カリガリ博士』の原題はなんと『Das Kabinett des Doktor Caligari=カリガリ博士の箱』で、この箱というのは眠り男がその中で眠る箱のことなのだそうだ。図らずも箱でぴったり符合しているではないか。
泉さんはと言えば、「あったけえ、ありがてえ」と「あ」のつく形容詞を連発していた。詩人じゃのう。
宇波さんが段ボールを片付け、クリップライトを各メンバーの譜面台に取り付けると、曲の演奏が始まった。
映画『TOCHKA』のイメージに合わせてか、今日は短調の曲ばかり。笑いも物語も控えめ。例の Shall we dance? の曲ではふたたび core of bells の山形くんが登場し、服部さんとともに観客をダンスに誘う。その間、演奏者の背後の空間を、腰をかがめた中尾さんが行ったり来たりしているのだった。カリガリ博士みたいに。
普通のユニットならば、トランペットが2本、トロンボーンと合わせて3管になったら、さぞかし力強い厚みのある音になりそうなものだが、HOSEは普通のユニットではないので、そうはならない。へろへろよれよれ、たどたどしさがいつもの2倍になった感じ。こんなバンドにすんなり溶け込むAxelさんは、ただ者ではない。
さて、このイベントを通して、映画『TOCHKA』が観たくなったかというと………うーん……。
写真は SuperDeluxe のトイレットペーパー。
追記:SuperDeluxe の女子トイレの壁は全体に白く塗り替えられ、落書きアートはなくなっていた。ポーランド系の名前がサインしてあったので気になっていたのだが。
HOSEの出番は3組のうち2番目。最初に宇波さんが段ボール箱を組み立てて床に置き、クリップライトを留めて、段ボールの影を壁に映し出す。立てたままの箱の折り返し部分の透き間が光の帯になる。床にいくつか金属の巻き尺を伸ばして立て、直線の影を壁に映す。空間に光と影で絵を描いていくような具合。
このパフォーマンスは9月11日の宇波拓ソロライヴ@視聴室で行われたものとほぼ同じだと思われる(私は未見)。今回は映画『TOCHKA』公開記念イベントということなので、段ボール箱がトーチカに、段ボールの透き間が銃眼に見えなくもない。
その間、江崎さん、Axelさん、古池さんの3管が微弱音を発生させている。Axel Dörnerのトランペットは今月2日にLoop-lineで初めて聴いたのだが、彼の出すシューーーッという強い摩擦音は電気ポットのお湯が沸くときの音みたいだなあとそのとき思い、2度目のこのときもやはり電気ポットだと思った。
後ろの壁際では、意外性のまったくないシークレットゲスト、中尾さんがクラリネットの部品(?)に懐中電灯を当てて、その光を壁に反射させたり、懐中電灯をじかに壁に当てて目玉おやじを出現させたりしていた。
このパフォーマンス全体は視覚的になんとなくドイツ表現主義映画の傑作『カリガリ博士』を思い起こさせた。いま調べたら、『カリガリ博士』の原題はなんと『Das Kabinett des Doktor Caligari=カリガリ博士の箱』で、この箱というのは眠り男がその中で眠る箱のことなのだそうだ。図らずも箱でぴったり符合しているではないか。
泉さんはと言えば、「あったけえ、ありがてえ」と「あ」のつく形容詞を連発していた。詩人じゃのう。
宇波さんが段ボールを片付け、クリップライトを各メンバーの譜面台に取り付けると、曲の演奏が始まった。
映画『TOCHKA』のイメージに合わせてか、今日は短調の曲ばかり。笑いも物語も控えめ。例の Shall we dance? の曲ではふたたび core of bells の山形くんが登場し、服部さんとともに観客をダンスに誘う。その間、演奏者の背後の空間を、腰をかがめた中尾さんが行ったり来たりしているのだった。カリガリ博士みたいに。
普通のユニットならば、トランペットが2本、トロンボーンと合わせて3管になったら、さぞかし力強い厚みのある音になりそうなものだが、HOSEは普通のユニットではないので、そうはならない。へろへろよれよれ、たどたどしさがいつもの2倍になった感じ。こんなバンドにすんなり溶け込むAxelさんは、ただ者ではない。
さて、このイベントを通して、映画『TOCHKA』が観たくなったかというと………うーん……。
写真は SuperDeluxe のトイレットペーパー。
追記:SuperDeluxe の女子トイレの壁は全体に白く塗り替えられ、落書きアートはなくなっていた。ポーランド系の名前がサインしてあったので気になっていたのだが。
by come-and-go
| 2009-10-16 03:41
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