2009年 07月 20日
ブルーノ・シュルツ祭のご案内 |
今年の「海の日」には面白そうな催し物がありますよ。
『砂時計サナトリウム』はヘンな映画(ほめ言葉)なので、まだご覧になっていない方はこの機会にぜひどうぞ。
企画者の沼野充義氏からいただいた案内をコピペいたします。
*******************************************************
主催=東京大学文学部現代文芸論研究室/後援=ポーランド大使館、協力=シアターX(カイ)
七月の夜―ブルーノ・シュルツ祭
Noc Lipcowa -Festiwal Schulzowski w Tokio
企画=加藤有子+沼野充義
20世紀ポーランドを代表する作家ブルーノ・シュルツ(1892-1942)。国境地帯の小都市ドロホビチ(現ウクライナ)の日常風景を幻想的な、それでいて誰もの記憶の髄が共振するようなイメージとして再現した。いまや30以上の言語に訳されたその作品は、世界各地で作家や芸術家にインスピレーションを与えている。今回は、ポーランド映画界の巨匠ヴォイチェフ・ハス監督による『砂時計サナトリウム』(1973、カンヌ審査員賞)を英語字幕付きで上映! 日本のスクリーンに登場するのは15年ぶりになる。
7月12日はシュルツ生誕の日。シュルツ訳者として本国でも知られる工藤幸雄氏の一回忌が奇しくも7月5日。シュルツに縁ある七月の夜、東京でシュルツの世界を考える。
日時: 2009年7月20日(月・祝)14:00‐18:00(開場13:30)
場所: 東京大学 (本郷キャンパス)法文2号館1番大教室
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
*定員220名。入場無料、事前予約不要。満席の場合は立ち見をお願いすることもありますので、あらかじめご了承ください。
*法文2号館は、東大正門から徒歩2分。正門から安田講堂(時計台)に向かって直進、右側二つめの建物です。建物中央のアーケードからお入りください。
交通: 地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷3丁目」、南北線「東大前」など下車、徒歩10分。
東大構内案内図: http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_02_j.html
東大本郷キャンパスへのアクセス: http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
研究室HP http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/0720schulz.html
問合せ先: 電話03(5841)7955 東京大学文学部現代文芸論研究室
<プログラム>
14:00-14:10 開会の辞(ポーランド大使館)、イントロダクション(加藤有子)
14:10-16:45 映画上映
・ドキュメンタリー『ブルーノ・シュルツ―二度目の幼年期』野中剛監督(1994)、日本語(ポーランド語ナレーション、ヤン・ペシェック)、28分
・映画『砂時計サナトリウム』Sanatorium pod klepsydrą ヴォイチェフ・ハス監督
(1973)、英語字幕、124分 (日本語字幕はついていません)
16:45-17:00 休憩
17:00-17:45 討議 赤塚若樹、加藤有子、沼野充義
17:45-18:00 朗読(短編「七月の夜」より)、閉会
***
短編「七月の夜」(『砂時計サナトリウム』)では、語り手が連夜映画小屋に通った七月の夜が描かれる。最終回が終わり、空っぽの待ち合いホールを抜けて小屋を後にした語り手は、夏の夜の闇に紛れて家にたどり着く。映像、現実、灯り、夏の漆黒の夜空。この短編を追体験し、シュルツ世界の普遍性を体感するべく、七月の一日、シュルツの映画に集いたい。
家路につく頃には、やはり七月の夜が待っている。
***
ブルーノ・シュルツ Bruno Schulz (1892-1942) ポーランド語作家、画家。1892年オーストリア=ハンガリー帝国国境地帯の小都市ドロホビチの布地商の家に生まれる。ルヴフ工科大で建築を学ぶも第一次世界大戦の勃発で中断、一時ウィーンに疎開する。ポーランド領となった戦後、ドロホビチで画家として創作活動を開始。代表作にガラス版画作品集『偶像賛美の書』(1920-22)がある。1933年にワルシャワの大手文芸出版社より短編集『肉桂色の店』でデビュー。1937年、第二短編集『砂時計サナトリウム』。1942年ナチス・ドイツ占領下のドロホビチでゲシュタポに射殺される。シュルツは地元のギムナジウムで図工教師として働き続けた兼業画家・作家であった。
ヴォイチェフ・イエジ・ハス Wojciech Jerzy Has (1925-2000) 映画監督。ポーランド映画界の幻視者とも呼ばれる。文学作品の映画化を得意とし、『砂時計サナトリウム』(1973)のほか、ヤン・ポトツキ原作の『サラゴサ手稿』(1964)、ボレスワフ・プルス原作の『人形』(1968)がよく知られる。
野中剛 Go Nonaka 映像作家。他に、ダンスや精神医学をテーマとしたドキュメンタリーを制作している。
ヤン・ペシェック Jan Peszek ポーランドの演劇・映画俳優、演出家。日本では1994年、シアターX(カイ)でシュルツ作品を原作とする3人芝居『砂時計サナトリウム』を脚本・演出し、主演を務めた。
赤塚若樹 Wakagi Akatsuka 首都大学東京教員、映像文化、比較文学、中央ヨーロッパ文化。代表的な著書に『ミラン・クンデラと小説』(水声社)、『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』(未知谷)などがある。
加藤有子 Ariko Kato 日本学術振興会特別研究員、表象文化論/ポーランド文学、特にシュルツ研究。日本語・ポーランド語でシュルツ論を多数発表している他、共訳書レム『高い城・文学エッセイ』(国書刊行会)など。
沼野充義 Mitsuyoshi Numano 東京大学文学部教員、現代文芸論/ロシア東欧文学。著書に『夢に見られて―ロシア・ポーランドの幻想文学』(作品社)、訳書にレム『ソラリス』(国書刊行会)などがある。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/0720schulz.html
『砂時計サナトリウム』はヘンな映画(ほめ言葉)なので、まだご覧になっていない方はこの機会にぜひどうぞ。
企画者の沼野充義氏からいただいた案内をコピペいたします。
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主催=東京大学文学部現代文芸論研究室/後援=ポーランド大使館、協力=シアターX(カイ)
七月の夜―ブルーノ・シュルツ祭
Noc Lipcowa -Festiwal Schulzowski w Tokio
企画=加藤有子+沼野充義
20世紀ポーランドを代表する作家ブルーノ・シュルツ(1892-1942)。国境地帯の小都市ドロホビチ(現ウクライナ)の日常風景を幻想的な、それでいて誰もの記憶の髄が共振するようなイメージとして再現した。いまや30以上の言語に訳されたその作品は、世界各地で作家や芸術家にインスピレーションを与えている。今回は、ポーランド映画界の巨匠ヴォイチェフ・ハス監督による『砂時計サナトリウム』(1973、カンヌ審査員賞)を英語字幕付きで上映! 日本のスクリーンに登場するのは15年ぶりになる。
7月12日はシュルツ生誕の日。シュルツ訳者として本国でも知られる工藤幸雄氏の一回忌が奇しくも7月5日。シュルツに縁ある七月の夜、東京でシュルツの世界を考える。
日時: 2009年7月20日(月・祝)14:00‐18:00(開場13:30)
場所: 東京大学 (本郷キャンパス)法文2号館1番大教室
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
*定員220名。入場無料、事前予約不要。満席の場合は立ち見をお願いすることもありますので、あらかじめご了承ください。
*法文2号館は、東大正門から徒歩2分。正門から安田講堂(時計台)に向かって直進、右側二つめの建物です。建物中央のアーケードからお入りください。
交通: 地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷3丁目」、南北線「東大前」など下車、徒歩10分。
東大構内案内図: http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_02_j.html
東大本郷キャンパスへのアクセス: http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
研究室HP http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/0720schulz.html
問合せ先: 電話03(5841)7955 東京大学文学部現代文芸論研究室
<プログラム>
14:00-14:10 開会の辞(ポーランド大使館)、イントロダクション(加藤有子)
14:10-16:45 映画上映
・ドキュメンタリー『ブルーノ・シュルツ―二度目の幼年期』野中剛監督(1994)、日本語(ポーランド語ナレーション、ヤン・ペシェック)、28分
・映画『砂時計サナトリウム』Sanatorium pod klepsydrą ヴォイチェフ・ハス監督
(1973)、英語字幕、124分 (日本語字幕はついていません)
16:45-17:00 休憩
17:00-17:45 討議 赤塚若樹、加藤有子、沼野充義
17:45-18:00 朗読(短編「七月の夜」より)、閉会
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短編「七月の夜」(『砂時計サナトリウム』)では、語り手が連夜映画小屋に通った七月の夜が描かれる。最終回が終わり、空っぽの待ち合いホールを抜けて小屋を後にした語り手は、夏の夜の闇に紛れて家にたどり着く。映像、現実、灯り、夏の漆黒の夜空。この短編を追体験し、シュルツ世界の普遍性を体感するべく、七月の一日、シュルツの映画に集いたい。
家路につく頃には、やはり七月の夜が待っている。
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ブルーノ・シュルツ Bruno Schulz (1892-1942) ポーランド語作家、画家。1892年オーストリア=ハンガリー帝国国境地帯の小都市ドロホビチの布地商の家に生まれる。ルヴフ工科大で建築を学ぶも第一次世界大戦の勃発で中断、一時ウィーンに疎開する。ポーランド領となった戦後、ドロホビチで画家として創作活動を開始。代表作にガラス版画作品集『偶像賛美の書』(1920-22)がある。1933年にワルシャワの大手文芸出版社より短編集『肉桂色の店』でデビュー。1937年、第二短編集『砂時計サナトリウム』。1942年ナチス・ドイツ占領下のドロホビチでゲシュタポに射殺される。シュルツは地元のギムナジウムで図工教師として働き続けた兼業画家・作家であった。
ヴォイチェフ・イエジ・ハス Wojciech Jerzy Has (1925-2000) 映画監督。ポーランド映画界の幻視者とも呼ばれる。文学作品の映画化を得意とし、『砂時計サナトリウム』(1973)のほか、ヤン・ポトツキ原作の『サラゴサ手稿』(1964)、ボレスワフ・プルス原作の『人形』(1968)がよく知られる。
野中剛 Go Nonaka 映像作家。他に、ダンスや精神医学をテーマとしたドキュメンタリーを制作している。
ヤン・ペシェック Jan Peszek ポーランドの演劇・映画俳優、演出家。日本では1994年、シアターX(カイ)でシュルツ作品を原作とする3人芝居『砂時計サナトリウム』を脚本・演出し、主演を務めた。
赤塚若樹 Wakagi Akatsuka 首都大学東京教員、映像文化、比較文学、中央ヨーロッパ文化。代表的な著書に『ミラン・クンデラと小説』(水声社)、『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』(未知谷)などがある。
加藤有子 Ariko Kato 日本学術振興会特別研究員、表象文化論/ポーランド文学、特にシュルツ研究。日本語・ポーランド語でシュルツ論を多数発表している他、共訳書レム『高い城・文学エッセイ』(国書刊行会)など。
沼野充義 Mitsuyoshi Numano 東京大学文学部教員、現代文芸論/ロシア東欧文学。著書に『夢に見られて―ロシア・ポーランドの幻想文学』(作品社)、訳書にレム『ソラリス』(国書刊行会)などがある。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/0720schulz.html
by come-and-go
| 2009-07-20 14:00
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