2012年 06月 10日
Jason Evans展、Dawid Misiorny展、Ola Walków展 |
5月17日から6月17日まで第10回クラクフ写真月間。街のあちこちで写真展をやっている。 10年以上前に私が個展をさせてもらったZPAF(ポーランド美術写真家協会)ギャラリー(ul. św. Tomasza 24)で開催中のJason Evans展を観る。 Jason Evans ジェイソン・エヴァンス「Zdjęcia do oglądania oraz rzeźby do fotografowania. / Pictures for looking at and sculpture for photography.(観賞用の写真と撮影用の彫刻)」。バーバラ・カスティンをポップでチープにしたような感じ。 山口勝弘の「ヴィトリーナ」を思い出す。 ショウウィンドウに並んだ木製のおたまがいい味を醸し出していた。 WyspArt(ul. Mikołajska 4, 2F)で若いアーティスト2人の写真展。 Dawid Misiorny ダヴィト・ミショルニィ「Terapia / Therapy(セラピー)」はカラーと白黒が半々くらい。日常に潜むふとした不思議な瞬間をとらえたスナップで、私の好きな感じだった。
同ギャラリーで同時開催のOla Walków オラ・ヴァルクフ「Mam 22 lata i prawie rzucił mnie chłopak / I’m 22 years old and my boyfriend almost dumped me(私は22歳、ボーイフレンドに捨てられたも同然)」は、作家自身が胸を小さくする手術(豊胸の反対は何と呼ぶの?)を受け、その縫合痕を接写し大伸ばしにしたもの(会場写真は無し)。自己セラピーとしては意味のある写真なのかもしれないが、こういう「自分探し」的な作品はもう勘弁してくれと思うし、ナン・ゴールディンみたいに意図的に撮っているのだとしたら露悪的で好きになれない。まあこういうのは若いからこそ撮れるんだろうなあ。
追記。これと同一の傷痕の写真で、キャプションがたとえば「43歳女性、乳がん手術痕」だったらどうだろう? あるいは「65歳男性、胆石摘出手術痕」だったら? この写真のプリント自体は私にはあまりおもしろいと思えなかったし、自分の部屋の壁に掛けたいとも思わなかった。つまりこの作品の価値は、若い女性のセルフポートレートであること+ボーイフレンドにふられたというプライヴェートな物語性にあるのであって、もしもそうでなければ作品はまったく別の意味を帯びていただろう。
同ギャラリーで同時開催のOla Walków オラ・ヴァルクフ「Mam 22 lata i prawie rzucił mnie chłopak / I’m 22 years old and my boyfriend almost dumped me(私は22歳、ボーイフレンドに捨てられたも同然)」は、作家自身が胸を小さくする手術(豊胸の反対は何と呼ぶの?)を受け、その縫合痕を接写し大伸ばしにしたもの(会場写真は無し)。自己セラピーとしては意味のある写真なのかもしれないが、こういう「自分探し」的な作品はもう勘弁してくれと思うし、ナン・ゴールディンみたいに意図的に撮っているのだとしたら露悪的で好きになれない。まあこういうのは若いからこそ撮れるんだろうなあ。
追記。これと同一の傷痕の写真で、キャプションがたとえば「43歳女性、乳がん手術痕」だったらどうだろう? あるいは「65歳男性、胆石摘出手術痕」だったら? この写真のプリント自体は私にはあまりおもしろいと思えなかったし、自分の部屋の壁に掛けたいとも思わなかった。つまりこの作品の価値は、若い女性のセルフポートレートであること+ボーイフレンドにふられたというプライヴェートな物語性にあるのであって、もしもそうでなければ作品はまったく別の意味を帯びていただろう。
by come-and-go
| 2012-06-10 23:56
| ポーランド