2012年 03月 05日
『これはペンです』を読む |
一度は1ページで挫折したものの、吾妻ひでお先生ががんばって全部読んだという円城塔『これはペンです』読了。思っていたほど読みにくい小説ではなかった。円城さんの作品はだんだん読者に親切になってきているように思う。
「これはペンです」はOji-MojiをMeiが読む話。換言すれば、情報をいかに発生させ、いかに伝えるかに関する話。レムの「ドンダ教授 Profesor A.Dońda」(深見弾訳『泰平ヨンの回想記』所収「第八話」)の一部エピソードや、やはりレムの「ブラウン運動している原子の配置から事実を取り出して出力する機械の話」(タイトルを思い出せない→いま調べたら吉上昭三・村手義治訳『宇宙創世記ロボットの旅』所収「盗賊『馬面』氏の高望み—第六の旅—」でした)を思い出した。
「良い夜を持っている」は忘却機能を持たない脳を持った父の死後、息子が父の生涯を語る試み。膨大な記憶=複数の街。夢と現実の区別がつかなくなるところなんかは「ムルダス王物語 Bajka o królu Murdasie」(深見弾訳『ロボット物語』所収「殲滅王物語」)そっくりだなあ。円城塔のアイデアの芯の部分はかなりレムに近い気がする。書き方はだいぶ違うけど。
「これはペンです」はOji-MojiをMeiが読む話。換言すれば、情報をいかに発生させ、いかに伝えるかに関する話。レムの「ドンダ教授 Profesor A.Dońda」(深見弾訳『泰平ヨンの回想記』所収「第八話」)の一部エピソードや、やはりレムの「ブラウン運動している原子の配置から事実を取り出して出力する機械の話」(
「良い夜を持っている」は忘却機能を持たない脳を持った父の死後、息子が父の生涯を語る試み。膨大な記憶=複数の街。夢と現実の区別がつかなくなるところなんかは「ムルダス王物語 Bajka o królu Murdasie」(深見弾訳『ロボット物語』所収「殲滅王物語」)そっくりだなあ。円城塔のアイデアの芯の部分はかなりレムに近い気がする。書き方はだいぶ違うけど。
by come-and-go
| 2012-03-05 23:57
| 読む