2010年 08月 15日
『チュウは忠臣蔵のチュウ』を読む |
私はいままで忠臣蔵というものがまったく理解できなかった。
内容よりも前に、まず登場人物の名前が難しくてとっつきにくい。
浅野内匠頭は、内匠頭にルビがないと「たくみのかみ」と読めないし、吉良上野介はルビがないと「きらこうずけのすけ」と読めないし、大石内蔵助は内蔵助にルビがないと「くらのすけ」と読めない。それに3人とも漢字5文字だし、そもそもキャラクターの区別が付けにくい(そんなわけで日本の歴史物は苦手だ)。
ストーリーもわかりにくい。
事の起こりは江戸城内、松の廊下で浅野さんが吉良さんをいきなり切りつけたことである。城内でそんなことをすれば罰せられるとわかっていながら、浅野さんがそんなことをした理由がわからない。
しかも浅野さんだけが即日切腹を命じられ、浅野家は断絶の憂き目に遭ったというのに、吉良さんはお咎めなし。喧嘩両成敗の原則が完全無視された理由がわからない。
不満を持った浅野家の旧臣47名は大石さんを総大将として、翌年12月14日本所吉良邸に討ち入り、吉良さんの首をとる。そもそもお上のお沙汰に不満があるならば、お上にたてつくのが筋だと思うが、無罪放免となった元被害者を攻撃するというのは逆恨みではないか?
しかし江戸町民はこれを、義挙よ義士よと拍手喝采。ひとりの老人を逆ギレした47人で襲うことがどうして義挙となるのか私にはわからない。のちに46人は切腹を命じられ、泉岳寺に埋葬される。現在も赤穂浪士の墓に参る人は絶えない。
こんなわけのわからない話が講談になったり歌舞伎になったり映画になったりテレビドラマになったりして、いまだにくりかえし人々に鑑賞されているというのがさっぱりわからない。
でもこの本を読んだら、だいぶ理解できたような気がします(違)。
大名4家預かりになった46名はご馳走攻めに遭う。「鯛やマグロなどの刺身、鶉のつけ焼き、白身魚の素揚げ、鴨肉の団子、野菜の炊き合わせ……」「夜食と称して蒲鉾や油揚げ、鶏肉、野菜、卵などを入れたたっぷりのうどん」という豪華メニュー。生類憐れみの令が出てるのに、魚や肉くっていいのかな?
by come-and-go
| 2010-08-15 23:57
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