2009年 05月 22日
粉引 |
京都府綾部市に窯を持つ鈴木隆さん作の粉引そば猪口。静かで穏やかながら、しっかりした存在感を湛えているところに惹かれ、昨日、本郷のギャラリー愚怜で購入したところ、粉引の白い色を保ちやすくするため、ご使用前の煮沸をお勧めします、という説明書きが添えられていました。煮沸方法は以下の通り。
一、鍋に器を入れてひたひた位の米のとぎ汁を張り、火にかけます。
二、沸騰したら、器が動かない程度の弱火にして約三十分煮沸し、自然に熱を冷まします。
三、水で洗って自然に乾燥させます。煮沸後、器の色がグレーに変わりますが、完全に乾くと「白」に戻ります。このようにすることで、米のとぎ汁が器の肌理を埋めて、汚れが付きにくくなります。
※ご使用の際、揚げ物のような油を多く使った料理を盛るときは、油じみを防ぐため野菜や葉っぱなどを敷いてお使いください。また、ご面倒でなければ器を水またはぬるま湯に浸して水分を充分含ませ、さっと拭いてから料理を盛るようにすると、より汚れや匂いを防ぐことができます。
……だそうです。とはいえ、使い込むうちに出てくる色の濃淡を、愛陶家たちは昔から「景色」と呼んで味わってきたのだそうですから、せいぜい変化を楽しむことにいたしましょう。陶の器は箱に入れてしまっておいても仕方がない。使ってナンボのものです。使い込むほど、いい色、いい味になるのが、いい茶碗。後生大事にしまい込まれたり飾られたりしてしまうのは陶器にとっては不幸なことよと思います。
というわけで、次にご飯を炊くとき米のとぎ汁が出たら煮沸するつもり。さて何を入れて使おうかな。和洋どちらも似合いそうです。
鈴木隆焼物展@ギャラリー愚怜(東大赤門斜め前)
5月30日(土)まで 12:00-20:00 (土曜は-18:00、最終日は-17:00) 日曜休
by come-and-go
| 2009-05-22 23:59
| 日々